
先日、Eテレをつけていたら、
美輪明宏さんの “ 愛のモヤモヤ相談室 ” という番組が流れてきました。
美輪さんならではの人生観や人間の本質の捉え方を携えて
相談内容に対しての見解や相談者さんへの励ましを惜しみなく伝えておられる番組でした。
「これぞ美輪さん!」という凛とした姿勢と柔和な笑顔の組み合わせも、
相談者さんの安心材料になっているように感じました。
卒寿を迎えられた人生の大先輩である美輪さんへ相談できたことや
美輪さんが真摯に話を聞いて信念を伝えてくださったことは、
相談者さんの身に沁みるようなものだったのではないでしょうか。
美輪さんがおっしゃるには、「プラス思考のノー天気が人生のコツです」だそうですよ。
そしてこの間、知人に、睡眠のことでちょっと尋ねてみたら、
「よく『どうしたらいい?』って聞かれるけど、
一人ひとりからだが違うし、
何が合っているかどうかも違うから、
わたしの答えが役に立つとは思わないんよ。」
と、答えてくれました。
てっきり「〇〇するといいらしいね」
というような返答をくれると思っていたので意表を突かれたわけですが、
わたしは思わず「そうそう!」と返事してしまいました。
(自分から尋ねておいて…。笑)
誰かにとっては効果的である方法が
他の人にも合うかどうかはわからないですよね。
このように、相談する相手によって相談者さんへの回答や態度は異なるものですが、
相談する相手が臨床心理士だった場合
美輪さんとも知人ともまた違った相談のプロセスになると思います。
美輪さんのように
人生の達人であるからこその人生観や人間観からアドバイスをしたり、
知人のように個人的な真理を伝えることは、
臨床心理士の主な役割ではないんです。
わたしたち臨床心理士は、
“気になっていること”が送ってくれているメッセージを
ご自分で理解していかれるのをお手伝いしています。
これは、今わたしに浮かんだ一例ですが、
「なんだか、最近、朝までに何度か目が覚めるんですよね。」
という相談をしたとします。
そのことについて、もっと話していると、
「それでなのかなあ、すごく疲れているんですよ。」
と、自分が疲れていることへ注目が始まり、
「ハードワークで疲れているんじゃなくて、なんか…やる気が出なくて疲れてるんですよね。」
と、疲れている状態がよりクリアになっていって、
「やる気が出ないっていうか…
朝はやる気があるんですけど、
『〇〇しなきゃ!』『もっと〇〇するべき』って考えが何度も出てきて
それがもう嫌~!ってなるんです」
というふうに理解が深まって、
「そっか。自分で自分に厳しい声をかけてたんですね。
誰かを困らせているわけじゃないんだから別に厳しくしなくていいのに…笑。
うん、そういうとこあるんですね、わたし。
今回もそのことで疲れているのかも…。
もう少し自分とゆったり関わってあげようと思います。」
というふうに、自分の中で答えを探していくプロセスになります。
自分のことについて相談したいときに
なにか今の現状を変えてくれるアドバイスが欲しいのか
やさしく慰めて包み込んでくれる温もりが欲しいのか
自分の体験について理解を深めて自分へのメッセージを探したいのか
何を求めているかによって
話し相手に選ぶ相手が変わるのかなと思います。
誰かのアドバイスを聞きたいというよりも
自分の体験について話したい、理解してほしいとき、
話しながら体験を整理したり
自分にとっての意味を深めていきたいときには、
臨床心理士への相談が役に立つかもしれませんね。
そんなときがありましたら
カウンセリングルームへ来てみられませんか?
お待ちしております。
公認心理師・臨床心理士 間塚
*妊活中の方は、当クリニックに通院されていなくても、
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